DIYで壁面収納を自作する<2>【組み立て・完成編】

壁面収納の続きを作っていきます。前回は壁面収納の制作に必要なフラッシュ板の作成をしました。今回は、その板を組み合わせて棚をどんどん作っていきます。そして棚を組み合わせて、積み上げて収納棚を構築していこうと思います。
フラッシュ板を作る
前回は図面を描いて、必要な材料の調達、フラッシュ板の作成までやりました。
さらっとおさらいすると、ダイニングの空いたスペースに↓↓

壁面収納の図面を描いて↓↓

棚に必要な板を作成していきます。板はコストと軽さと強度を兼ね備えたフラッシュという工法で作ります↓↓

ベニヤ板を貼り合わせて木口をキレイに削ってフラッシュ板を量産しました↓↓

ここまでで前回のおさらいです。
板ができあがりましたので、次は板を組み合わせて棚や引き出しを作っていきましょう。
引き出し部を作る
板が出来てきたので、あとは箱状に組んでいけば棚ができます。棚は箱状に板を組めばいいのですが、棚の前に中に入れる引き出し部がちょっと面倒なので、先にそっちを作ります。
精度良く作らないと、ガタが出たり、キツくて入らないって事態になってしまうので、慎重に丁寧に引き出しを作っていきます。

さらに引き出し部は可動しますし、出し入れするために頻繁に力をかける部分なので強度が欲しいです。フラッシュよりも強度のある合板を使います。板厚を薄くしても強度を保てます。
引き出しの側面は12mmの合板、底板は5.5mmの合板を使います。
引き出しの作り方は側面の板にトリマーで溝を掘って、底板を差し込んで組み立てます。
参考 引き出しの作り方↓↓

板同士の固定はボンドとビスを使います。板が薄いので、割れないようにスリムビスを使っています↓↓

上の画像では前面を下に向けて置いてあります。画像の上部のちょっと突き出ているのが後ろの板です。側面に比べて高く設定しているのですが、これは引き出した時に棚側の受けに引っかかって抜け落ちないようにするためのストッパーとして機能します。
また、引き出し前面にビスが見えてしまうと見栄えが悪いです。ビスの上からシートを貼るとビスのところが浮いたり凹んだりします。ダボで隠すなり、パテ埋めするなり、いろいろやり方はありますが、今回は上からベニヤをまるごと張ってビス頭を隠すことにします。

前面の板は手をかけて力がかかるところなので、ビスを多めに打っています。
手に引っかけて引き出しやすいように、持ち手をトリマーで加工しておきます。

加工が一通り終わったら、前面にだけカッティングシートを貼って化粧していきます。見えなくなる部分は特に化粧はしませんが、衣類がささくれに引っかかるとイヤなので、ヤスリで研磨しておきます。

カッティングシートを貼ってみて失敗かなって思ったのは、持ち手の形状を複雑にしちゃったところ。ダイノックシートだと曲面の部分も温風を当てればキレイに形状になじむんですが、今回使ったのはカッティングシート。
なので、持ち手の曲面部分の処理がベコベコになってちょっと汚くなっちゃいました。

こんな感じでちょっと浮いちゃう。まあ、見えなくなるところだから、いいかな。もし後々剥がれてくるようだったらダイノックで貼り直そうかと思います。
粘着力が強くなるようにプライマーでも使えば、いくらかマシになったかもしれませんが、それでもカッティングシートだと厳しいかもしれません。
まあ自分で使うので、ボクがOKならそれでヨシです。
教訓
カッティングシートは平面。曲面に貼るならダイノックシート!
引き出しを10個作り終わりました。次は外枠部分を作ります。
バババンッ!枠完成↓↓

基本的には箱状に組んでいくだけです。外から見える部分には白のカッティングシートを貼っています。内部は見えなくなるので無加工でもいいんですが、白ペンキ塗ってみました。
引き出しが乗るレール部分はこんな感じ。

荷重がかかるので、レールとなる木材はビスで止めています。もちろんビスがちゃんと効くように、フラッシュ板に芯材はちゃんと入ってます。
あと、レールが木そのままだと、上に乗る引き出しとの摩擦力が大きくて引き出すときに引っかかるので、レールに敷居すべりを貼っています。
敷居スベリ↓↓

コレで引き出しを軽く引き出せるようになります。ですが、それでもまだ引き出しの重さが気になる時は、蝋(ロウ)を塗ったり、シリコンスプレーを吹き付けてあげるとさらに軽くスムーズに引き出せます。
ということで引き出しと外枠を合体!

いいね!
寸法の狂いもなく、引き出しもちゃんと摺動します↓↓

棚の側面は木の下地が見えていますが、設置したら隠れる部分なので、このままでもいいですかな。
取っ手部分もちゃんと指がかかって引き出しやすいです↓↓

下からも手をかけられるように上下に取っ手を加工しています↓↓

下のほうが強度があります。
“とって”もいいね!
・・・ソウダネ(棒)
と、とにかくコレでやっと壁面収納の左側Aの下部の引き出しが完成しました。

跳ね下げ扉棚を作る
じゃあ残りの棚もどんどん作っていきます。しょせんただの棚です。引き出しに比べると難易度は低いので、楽勝でしょう。
次は、左側Aの中部。ここは横長の収納で、扉は縦に降りてくる跳ね下げ扉という構造にしています。
作り方は表面をカッティングシートで化粧したフラッシュ板を箱状に組むだけなので詳細は省略。
中部の跳ね下げ扉棚↓↓

設置後の写真になります。このように手前に縦に開く跳ね下げ式の扉にしました↓↓

プリンターを収納しています。右奥の穴は配線を通すためです。
扉を跳ね下げにしたのは、印刷した紙を広げたりまとめたりするスペースがあると便利かなと思って採用しました。ノートPCを置いてスタンディングデスクとして使えるくらいの強度はあります。
ある程度の荷重に耐えられるようにこういう金具を使っています↓↓

扉を支えるための金具(左)と位置決めのためのスライド丁番(右)
スライド丁番は閉めたときは扉を枠にきっちり収めることができ、開いたときは内側にせり出しながら開くので、隣接した家具に接触しないで開閉出来ます。また表面に見えてこないので、見た目もよろしい便利な金具です。
スライド丁番↓↓
スライド丁番を加工する際のはちょっと面倒くさくて、扉の方に前もって穴を開けて、スライド丁番の一部を埋め込む必要があります。
施工後でもプラスのイモネジで扉の位置を微調整できます。
観音開きの戸棚を作る
壁面収納の左側上部にくるのが観音開きの収納戸棚です。これも板を箱状に組み立てるだけなので、比較的カンタンです。
上部の観音開き戸棚↓↓

なにかと溢れるモノを収納するところです。
施工後の物を収納した状態↓↓

棚板は2段入れてます。ゲーム系とか薬箱とかを入れたらいっぱいになっちゃいますね。
棚の高さは変更可能↓↓

側面にダボ穴付きの金具を埋め込みました。アルミダボをはめれば棚受けになるので、高さはある程度自在ですし、必要なら段数も増やせます。
アルミダボ↓↓
左側の3段を組み合わせるとこうなります。

まあまあの出来では?下段の引き出し部分からちょっと衣類がはみ出してますけど、お気になさらず。
壁面収納の完成
左側Aの部分が完成したので、このまま残りの棚も作っていきます。

他の部分も引き出しにするか、棚にして扉をつけるか、開放棚にするかなので、基本的な作業工程は同じです。
それぞれの棚の連結は裏の壁へのビス止めとお互いの棚同士を横にビス止めして、ガッチリ固定します。地震なんかじゃビクともしない強固な収納です。家自体が倒壊しない限り大丈夫でしょう。
ということでいきなり完成。ババーン↓↓

どうっすか?なかなかの出来だと思います。大容量の壁面収納ができました!
これだけ大きかったら何でも入りますね!
って調子に乗って何でも突っ込んでたらあっという間に一杯になるので定期的に整理整頓しないとですね。
さて、では詳細を見ていきましょう。
下段の観音開き収納↓↓

収納力のある開き戸です。小物や食品のストックを入れています。棚受けはアルミダボで高さの変更は可能です。
この扉も手をかけて開けられるように、トリマーで取っ手を加工してます↓↓

扉の連結はスライド丁番です↓↓

中段の開放棚と11段引き出し↓↓

左は開放棚。A4の書類などが縦に入ります。
中央は引き出し。A4サイズを折らずに平置きできる大きさです。
右も開放棚。ちょっと整理しきれなくてごちゃごちゃしてます。一度片付けますか。

スッキリしました。ここにはコンセントタップを据え置きにして充電できるスペースにしようと思ってます。無駄なくスペースを使えるようにもう少し小分けできる棚などをつくろうと思ってます。
引き出し部↓↓

入れるものに合わせて、下の6段と上の5段で高さを変えています。書類や文具、小物、充電ケーブル、、、とかなんやかんや入れたらすぐ一杯になっちゃいます。不思議!
上段の観音開き収納↓↓

ここもたくさんモノが入ります。扉の寸法がわずかに大きかったせいか、開閉するときに、ちょっとだけ干渉したんですが、スライド丁番で強引に調整してなんとかなりました。
なので、扉がデコボコしてますが、、、使用上の問題は無いのでOKです。
扉を化粧する前なら、カットして調整できたんですけどね。
オープン↓↓

ここにも、食品のストックとか、ホットプレートとか、書類、小物とかたくさん収納できます。
一番右側は開放棚と食洗機↓↓

右側は見切れていますが、下部分は開放棚です。ゴミを入れる予定なんですが、容量が大きいので「不燃」、「缶・ビン」、「廃プラ」など分別していくらか入ります。「可燃」は閉鎖空間に入れたくないので別の場所ですが。
棚の上には食洗機を乗せています。すぐとなりはキッチンで、食洗機からの排水はキッチンのシンクに流すことができます。システムキッチンのスペースを確保することで、調理の邪魔にならず、広くキッチンを使うことができてとても良いです。
以上で、壁面収納の制作の紹介でした。いかがでしたでしょうか?
あなたもお気軽にというわけにはいかないと思いますが、、、でも自分で作ったものには愛着が湧きます。まあ業者さんに頼めば間違いのないモノを納めてくれるので、頼んじゃうのも手ですかね。
まだまだ他にも、いろいろ作る予定があります。直近では「でっかい下駄箱収納」と「でっかい洗濯機収納」を作ろうと思ってます。
今までの家のリフォーム記事も興味があれば、ぜひ見ていってください。
リフォーム記事その1現況確認↓↓
では別の記事でお会いしましょう。
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